SSブログ

みほー6 ぼったくられるなよっ!みほっ! [みほ]

 次の日、ポカポカ陽気の中、私と蛙子はかなり地味な服装で東海道線に乗っていた。

 「ダンディさんが言う、そのギター買うなら御茶ノ水?お店たくさんあるらしいけど、私たちに買えるのかしら」

 「ダンディさん曰く、出逢ったギターが当たり!って。恋みたいなものらしいはね。困ったらアイリにしとけとも言ってたわね。うん、まぁ、予算2万円だからねぇ。これで買えるのそのアイリの安い奴らしいけど、中古でいいのがあるかもだって」

 「中古なんて嫌よね!みほギターデビューとしては、なんか鳥さんの絵が描いてあるようなのがいいな!」

 「・・・ハミングビードね。大丈夫よメーカーさえ違えばあるかも」

 「うん!よーし、根性ぶちかましよっ!」

 御茶ノ水駅前から坂を登っていく途中、両側に派手に楽器屋の看板が続いてる。

 「何よこれ。なんか秋葉原ぽい?」

 「ええと、黒玉楽器、あぁ、あそこにまず行けって」

 「うん。でも。あそこエレキが多そうね。まぁ、行ってみますか」

 黒玉楽器のフロア案内を見てびっくりした。ギターちゅうてもエレキギター、アコースティックギター、クラッシックギター、スパニッシュギター、フルアコギター、セミアコギターと色々あって、しかもフロアごとに分かれてるってば、そんなにあんの?

 「蛙子、私たち、場違いよ。男の子たち若いのに猫背だし、まぁ、ゴスロリもいるわ!」

 「みほ、落ち着いて。ほら、あそこ、GパンにTシャツなんていかにもフォークな女子いるじゃない。あの子にとにかくついていきましょう」

 「う、うん」

 フォーク女子は、慣れているのか、エレベーターも使わず階段で2階の「国産フォークギター」のフロアに行く。

 「当たり!みたいね」

 「それにしても何本ギターあるのよ。こっから選べって彼選ぶより大変!」

 「みほ、いないでしょ」

 「蛙子、いたことない」

 「あっ!」

 「どうした!」

 「あそこにアイリって書いてない?」

 「本当だわ。あら、さっきの子もいるし。チャンスね。2万円より安かったらハンバーグ食べるからね!」

 「・・・なによ。7万とか4万とか、10万越え、20万越え!ダメじゃん、無理よ。やっぱし、貧乏女子にフォークは無理なのよ。私のピアノだって30万円くらいなのに」

 「ねぇ、もしかしてあなたたちギター買いに来たの?」

 さっきのシンプルなギター女子さんだ。

 「ここはアイリでも少し高いK.アイリなのよ。2万円くらいのはこっちよ。ってか、なんでアイリなの?」

 「えーとねぇ、ダンディってギター弾く人が言ったの」

 「ふっ、たいしたことないわね。限度2万円でフォークギターね?よしっ!このあたしが選んであげる!」

 「いやいやいや、そんな。お忙しいでしょうに」

 「あはっ、何、言ってるの!あたしここの店員。亜沙美っていうのよろしくね」



^^;汗だく ぼったくられるなよっ!みほっ!





20170426161223.jpg

IMG_7687.jpg

que-14143713944.jpg

(写真、動画はイメージです)。
nice!(2)  コメント(1) 
共通テーマ:音楽

nice! 2

コメント 1

cory

ナイス!ありがとう。
by cory (2018-08-22 06:51) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。