「けっ!サウンドオブサイレンスよっ!」」 [ギター練習]
「あれ、みほ、痩せた。と言うかこけた?」
「ギター痩せよ」
「そんなに痩せるもんなの?ギターって。流行りそう」
「けっ、今日よね?ダンディのギター試験!」
「う、うん、楽勝でしょ。それだけ痩せていれば」
「けっ!」
「さっ、みほちゃん、まずこのギターに弦張ってみて」
「けっ!」
「えっ!もうできたの?ええと弦もねじれてない。糸巻の加減もいい・・・すごいじゃない!ふつうここまでできる人いないわよ。じゃぁ、次、調弦してみて?」
「けっ!」
「えっ、もう!ADGBEE・・・まぁ、素晴らしいわ!ちょっとチューナークリップでも調べてみるわね。・・・完璧!どうしたの!」
「けっ!」
「えっ、何そのコード!?AmとEmは当然の、Am6とEm9・・・フォークじゃあんまり使わないオシャレコード!」
「けっ!ちららちららちららちらら~」
「ひえっ!禁じられた遊びも。みほ、寝てるの。寝てないのね?凄すぎるわ!」
「けっ!とととついんととととととういんとと~」
「あらま。吉田拓郎の旅の宿じゃない?やばいわ。今時の子はジャンジャカなのに」
「みほ、いったいどうしたの?それならすぐステージ出れちゃう感じよ」
「ふっ!ジョン&ヨーコの特訓すれば、誰でもこのくらいなれるわ!」
「ジョン&ヨーコ?」
「パパ&ママ」
「おとうさんとおかぁさん?がどうしたの?」
「フォークマニアだったのよ!」
「ちょっと待ってみほのお父さんおかぁさん、ジョン&ヨーコと呼ばれてたの?ひえーっ、あのジモティフォーク祭で3年連続優勝したレジェンド、幻のジョン&ヨーコ?ダンディなんかあのコンサート見てからギター始めたくらいよ。その娘が、みほ!?」
「けっ!」
ライブハウス「みゆき」には、みほの弾くサイモン&ガーファンクルの曲が流れていた。
「ギター痩せよ」
「そんなに痩せるもんなの?ギターって。流行りそう」
「けっ、今日よね?ダンディのギター試験!」
「う、うん、楽勝でしょ。それだけ痩せていれば」
「けっ!」
「さっ、みほちゃん、まずこのギターに弦張ってみて」
「けっ!」
「えっ!もうできたの?ええと弦もねじれてない。糸巻の加減もいい・・・すごいじゃない!ふつうここまでできる人いないわよ。じゃぁ、次、調弦してみて?」
「けっ!」
「えっ、もう!ADGBEE・・・まぁ、素晴らしいわ!ちょっとチューナークリップでも調べてみるわね。・・・完璧!どうしたの!」
「けっ!」
「えっ、何そのコード!?AmとEmは当然の、Am6とEm9・・・フォークじゃあんまり使わないオシャレコード!」
「けっ!ちららちららちららちらら~」
「ひえっ!禁じられた遊びも。みほ、寝てるの。寝てないのね?凄すぎるわ!」
「けっ!とととついんととととととういんとと~」
「あらま。吉田拓郎の旅の宿じゃない?やばいわ。今時の子はジャンジャカなのに」
「みほ、いったいどうしたの?それならすぐステージ出れちゃう感じよ」
「ふっ!ジョン&ヨーコの特訓すれば、誰でもこのくらいなれるわ!」
「ジョン&ヨーコ?」
「パパ&ママ」
「おとうさんとおかぁさん?がどうしたの?」
「フォークマニアだったのよ!」
「ちょっと待ってみほのお父さんおかぁさん、ジョン&ヨーコと呼ばれてたの?ひえーっ、あのジモティフォーク祭で3年連続優勝したレジェンド、幻のジョン&ヨーコ?ダンディなんかあのコンサート見てからギター始めたくらいよ。その娘が、みほ!?」
「けっ!」
ライブハウス「みゆき」には、みほの弾くサイモン&ガーファンクルの曲が流れていた。
弦もきちんと張れないのか! [ギター練習]
一週間が経過した。途中、お盆があったので帰省したが、
後はすべてギターの練習に時間を費やした。
チューニングは音叉のAと五弦を合わせてしまえば早くなったが、
2弦で少し音程が下がってしまう。
ドレミファソラシドは、4弦のファでつまづく。
Emは案外楽にできたけど、Amは少し指がこんがってしまう。
明日はダンディによるギター試験だ。必死の同じことを繰り返す。(こんなことしててシンガーソングライターになれるのかしら。歌詞先に書いて蛙子のピアノで歌った方が早くね?)。相変らず酷暑は続く。と、部屋の戸がこんこんと叩かれた。
「はい?」
「あ」
「?パパ」
「うん」
ウチのパパはほとんど口をきかない。まぁ、でもニコニコして温和な感じだ。
「どうしたの?」
そういいながら戸を開くと「!」何?ギターを持ったパパが相変わらずの笑顔で立っている。
「おかぁさんに聞いたんだけど、みほ、ギター買ったんだって?へぇ、それか。渋いねぇ」
「って、パパこそそのギター?」
「あぁ昔弾いていた奴だよ。安物だけどまだ弾けるぞ。っていうか、パパがギター教えてあげようと思って」
「えー!弾けるの、パパ?」
しなやかなスリーフィンガー。つまづきのない弦の無い押さえ。こ、こ、この曲は、難曲と言われる遠藤健司の「カレーライス」!
途中、でたらめみたいになるが、できるのか?!
「ぱぷぅぶぶぶぅぱぷ」
何?この音色は?
「おっ、来たな。ヨーコ!」
「ヨーコ?」
戸が開いて、ハーモニカを吹くママがいた。
「ヨーコよ」
「違うわ!ママどうしたのあなたの名前は麻衣子でしょ?」
「ジョン」
「はい?」
「ふっ、昔、パパはジョン、ママはヨーコと呼ばれてたのさ」(ジョンとヨーコ・・・まんまじゃないの)。
「お前くらいの頃からライトミュージックという学校のクラブに入って、ママと色々な曲を練習したものさ。エンケンは渋すぎたが、泉谷とか拓郎とかケメとかやったもんだ」
「ケメ?」
「で、みほはどうなの?ギター弾けるようになったの?」
「ママ、まだ一週間だよ。できないわよ」
「あら、パパなんか一週間で拓朗の旅の宿弾けたわよ」
「またぁ」
「浴衣の君はぁ~」
本当だ!なんなんだ、私んちフォークソング一家だったのか?普通の家じゃないのか!キャッ!ママ、ハーモニカの間奏ばっちり!
「わ、わ、わ、分かったわ。パパ&ママはジョン&ヨーコで、フォーク狂いの馬鹿息子と娘だったのね!」
「はーい」「うん」
汗だく・・・「じゃ、みほにギター教えて!お願い、明日が試験なのよ!」
「ふっ、ついに言っちまったな、みほ。俺たちの特訓に耐えるというのだな!ママ、じゃ行くぞ!」
「はい、ジョン!」
ふたりはいきなり私のギターの弦をハサミで切るとこう言い放った。
「弦もきちんと張れないのか!」
(参考文献)
http://www.kurosawagakki.com/sh_machida/ag/tips/genkoukan.html
(写真はイメージです)。
ギター初歩ー1 禁じられた遊びがマイルストーン! [ギター練習]
「まぁ、二万円じゃこんなもんね」
私のマイギター(SアイリのDAY)をジャカジャンと弾くと、ダンディはそう言った。(この糞おやじ)。
「まぁ、しばらく弾いていれば、ギターも馴染んでくるでしょ。じゃ、みほ!とりあえず。一週間で今教えたチューニングとドレミファソラシドとEmとAm、弾けるようにしといてね!」
「えっ、そんな…」
「お店に貰った教則本もあるし、とにかくそこまでできなきゃ、ダメよ。基本のき!頑張ってちょうだいね」
ダンディに言わせると、この後、禁じられた遊びの前半部分までできて初めて色々とできるそうだ。
「まぁ、この夏休みは、少しがんばるかっ!」
(YouTubeから借りてきました)。